電子処方箋の運用が広がる中、患者さんが持参する「電子処方箋(控え)」のQRコードが読み取れないという相談が医療機関や薬局間の現場で増えています。
このトラブルの原因の多くは、実はバーコードリーダーの「文字コード(エンコーディング)」設定にあります。

この記事では、その原因と解決策を薬局向けに分かりやすく解説します。
QRコードが読み取れない…
電子処方箋が普及していく中、薬局でよく聞かれる声に次のようなものがあります。
・QRコードをスキャンしてもレセコンや電子薬歴システムに反応しない…
・読み取りはできているが、文字が化けて正しく表示されない…
・一部のパソコンでは正常に読み取れるが、他の端末では読み込めない…
こうした問題の多くは、バーコードリーダーの「出力文字コード設定」が日本語に適していないことが原因です。
原因:バーコードリーダーの出力設定が「ASCII」や「USキーボード」になっている
電子処方箋(控え)のQRコードには、患者を識別する情報として、患者さんの保険者番号と生年月日、発行医療機関などの情報が含まれています。
そのような情報は、「UTF-8」といわれる日本語対応の文字コードで正しく読み取る必要があります。
しかし、バーコードリーダーの出力文字コードの設定が以下のような設定になっている場合、QRコードを読み取ることができません。
- 出力文字コードの設定が ASCII や Shift_JIS になっている。
そのため、電子処方箋(控え)のQRコードを読み取れるようにするには、薬局にてバーコードリーダーの文字コードの設定を見直す必要があります。
解決方法:バーコードリーダーの設定を見直す
薬局側で実施すべき具体的な手順は以下のとおりです。(設定マニュアル 参考)
バーコードリーダーの設定マニュアルを確認し、出力エンコーディングはUTF-8に設定しましょう。特に、QRコードに日本語が含まれる場合は必須です。

キーボード言語は、各国でキーの配列が異なりますので正しい言語を設定する必要があります。電子処方箋の場合、言語は「日本」でも「USA」のどちらでもOKのようです。

データをどのように出力するかを「出力モード」で設定します。
出力モードは「漢字出力モード①」と「漢字出力モード②」のうち、『漢字出力モード②』の方で設定します。


まとめ
電子処方箋の普及に伴い、薬局現場でもデジタル対応が求められています。
QRコードが読み取れない場合、まずはバーコードリーダーの文字コードやキーボード設定を確認することが、最もシンプルかつ効果的な対応策です。
万一マニュアルが見つからない場合は、メーカーやIT担当者に相談するのも良いでしょう。日常業務をスムーズにするためにも、設定の見直しをぜひこの機会に!
コメント